親と甘えと ~ 図書館戦争 第5話
とうとう原作読みました。が、小説は小説、アニメはアニメです。図書館戦争 状況〇五「両親攪乱作戦」です。
まあ、何というか、この娘にしてこの親か、という回でしたね。特に身長まで似ている母親。子離れしていないどころか、未だに郁と自分を同一視する態度をあからさまに表に出しており、間違いなく、郁の甘えた性格の原因になっていると思われます。親の側が子供を同一視することを止め、子供が自分とは異なる存在であることを認めなければ、子の側も親を同一視することを止めることができません。郁がのべつまくなしに周りに感情をばらまくのは、あきらかに甘えであり、それはその親との存在の別離の大部分を未だ精神に残しているためです。
それにしても、今回の郁は、いつも以上に感情をばらまきまくってましたね。驚く、わめく、すねる、騒ぐ、怒る、そして泣く。いちいちそんなに過剰に反応して、よくストレスにならないなと思います。むしろそうすることそのものがエネルギーになっているような雰囲気でした。周りのみんなもよく面白がって受け入れられるなあと。職場の人間関係としては大変な存在だと思います。
振り返ってみると、今回の親関係の一件で、シフト変更から、友人、同僚、上司に至るまでことごとく協力させ、迷惑をかけ、そして、問題の本質は最後まで未解決。父親は黙認していますが、戦闘任務の様子を見てもそれを維持できるかは甚だ疑問です。このまま親の了解を得ないまま、もしも郁が戦闘で重傷を負ったり、殉職したりしたら、一体どういう事になるのでしょうかね?特に母親は、すさまじい憎悪を図書隊に向けることでしょう。でも、そんなことにも想像をめぐらさないまま、本人はただただ泣いて見送るだけです。
一つ気になったのは、母親が読みたい本の貸し出しを妨害するシーンでした。
郁は事もあろうに図書を隠そうとしますが、堂上が図書館の自由に関する宣言を確認させて、いったんは戻すものの、しかし、その後も別の図書を差し出して母親の気を次々とそらします。図書自体は利用可能であったとしても、その行動と目的は、図書館の自由を侵していることには変わりないことではないですかね?どうもその一連の行動は最後まで腑に落ちませんでした。郁にとって親の問題は確かに重大なのでしょうが、母親だって利用者です。自分の都合のために図書館の自由を侵していいというのは、図書隊に入隊したいという動機が転倒してしまっているように思えました。まあ元から、例の王子様は郁の自己都合で美化されまくっているのでしょうが、図書隊の任務についても、その自己都合の前ではどうでもよいというのは、いくら若気の至りといっても、ちょっと私には納得がいきませんでした。
ストーリーとしては、そんな郁を育んでくれる家族的な図書隊とその仲間たち、そして親との和解の第一歩を得ることが出来た郁と、ようやく郁の本質に目を向け始めた親という構図で、さわやかな若者たちのドラマといった体です。しかし、私はどうも、図書隊の担う任務と、その成り立ちを背景とした世界を前にして、どうしてもこのストーリーに青春めいた雰囲気を感じることができません。
ここまで見て一つ思い出したのが、機動警察パトレイバーの特車2課です。
彼らは、専門学校上がりの半端物の寄せ集めで、レイバー狂いの女子に、拳銃狂いの問題警官、親への反抗も込みで入隊した者なんかがいて、それぞれに自己都合を出しまくります(笑)。ところが彼らは、どんなに重要な自己都合であろうとも、警察用レイバーが必要とされていることの目的を決してねじ曲げたりはしませんでした。それどころか、自己都合を出しまくりつつも、徐々にその自分の目的と組織の目的を一致させる方向を模索し、何度も転びながらそれを受け入れ、チームとして成長していきます。後藤隊長の大人なキャラクターによるところがもちろん大きいとはいえ、まさに青春ドラマだと思います。
しかしこの作品は、どうにもこうにも郁一人のために全ての理屈が動いているような気がどうしてもしてしまいます。ここまでサポートされていながら、どこが「みんな同じ条件」なのかと言いたい。彼女がギャースと叫ぶ度に、うんざりするような気持ちにさせられるばかりです。
まあ一応ここまでで彼女が持つほとんど全ての背景が出尽くしたようなので、次からはもう少し何か進展するのかもしれませんが、正直、しばらくの間は郁自身にはあんまり期待していません。それよりも、とにかくどんどん事件が起きていってほしい感じです。
結局のところ、私が郁の事を嫌いだなだけなのではと言われれば、確かにそれまでなのですが(笑)。
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