通勤電車に乗ってる時に、近くの人が熱心に読んでたのが「3月のライオン」。遠目にも将棋マンガと分かって、フーンぐらいにしか思ってなかったのだけど、なんでかその絵の雰囲気が気になって読んでみたら、すげえよかった。面白い。
とにかくマンガとしての出来がすっごくいい。絵の密度がやたら濃くて、情報量も多くて、でもそれらがマンガ文法の完成された技巧で力強く表現されてて、読み応えもあるし、何よりも読んでてホント楽しい。自分も電車の中で読んだのだけど、そこかしこのコマでしょっちゅう笑わせられて、笑いを抑えるのに苦労した。ネコとか子供とかがイチイチ可愛すぎる。
なんて自由にマンガを描く作者なんだろうと思った。
あと、いい女を描くのもホント上手いw。
マンガってホント便利で自由な表現だよな。
どんな話が展開されてても、わずか一コマ差し込むだけで、過去の経緯とか心理描写とか人間性とか関係とかを、一瞬のうちに強力に訴えることができる。
これがインプロや芝居だと、一瞬ではなかなか伝えられない。というか、コマが切り替わったことをまず伝えるだけでも、相当量の時間と空間を消費しなければならない。しかもその消費量が多いほど、その場のエネルギーに深刻な影響を与える。
昔、共に劇団をやっていた男が、「演劇の表現手法に映画の“カット”をもしも導入することが出来たら、きっとすげえことができるよな」と言っていたのだが、オレも本当にそうだと思う。
もちろん、演劇には演劇にしかできないことがあるわけで、それを突き詰めていくしかないのだけれど。
それにしても、今まで読んだ将棋マンガって、総じて主人公が何らかの心的外傷を抱えているような人ばかりなのだが、いい加減にどうにかならないものか?
作者つながりで、ハチクロにも手を出した。今のところ5巻。
これも萌えるなあ。恋愛モノのストーリーラインは若干センシティブすぎて、興ざめするところがあるけど、登場人物たちの日常生活を中心にストーリーが回っていくあたりは、とっても生き生きとした世界が広がって、やっぱり読んでて楽しくなる。
何だかこの作者は「生活」が文法のキーワードになっている気がする。
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