NeXT IMPRO THEATRE 第29回公演 1:ロングフォーム、ゲームショウ

2006年10月。都心は秋っぽいひんやりした風を徐々に感じるようになってきた。第29回のNeXT IMPRO THEATREである。
この日はあいにくの雨模様。そのためか、場内はやや空席が目立った印象であったが、今回は前半の最後に新しい試みが見られたり、後半もサプライズ的な演出が行われたりなど、見逃してしまうにはもったいなさ過ぎる、充実した公演であった。サプライズなどの詳細についてはまた後程。

さて今回のNeXT IMPRO THEATREは、いつものimpフルメンバー、入岡雅人(イリ)、飯野雅彦(マサ)、奥山奈緒美(ナオミ)、秋山桃里(モモ:即興ミュージシャン)の4人、Xpotは野間大輔(だいすけ)、鉢山あきこ(はっち)、矢熊進之助(しんのすけ)、松本雅子(マーシャ)の4人の2チーム8人がオンステージした。
オープニングはフリーズタッグからスタート。タイトルは「突撃!」
勇気を出しての告白シーン→表彰式→路上のアコーディオンの演奏→生きたまま心臓摘出→何かをずっとナメナメ(笑)→わき水探索で終了。「何かをずっとナメナメ」は、ご覧になってない方のご想像にお任せします(笑)。

なお、今回から、文中の出演者名は全てカッコ内のインプロネームにてお送りします。


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NeXT IMPRO THEATRE 第29回公演 2:タイプライター

その1からの続きです。


imp、Xpot:タイプライター

ゲームショウ最後となるタイプライターは、タイプライター役の人物がストーリーを時折語っていきながら、お話を作っていくというゲーム。ところが今回はなんと、シネマガイドとラジオドラマの2つのゲームをタイプライターの中に取り込んだ、豪華版タイプライターとして上演された。
シネマガイドとは、映画の解説集の本を用意して、観客にランダムなページ番号を言ってもらい、そのページに書かれている映画のあらすじを元にストーリーを作っていくというもの。そして、ラジオドラマは、その名の通り音声だけでお話を作るというゲーム。明かりをやや暗めにして、身体表現は一切使わずに、セリフ、ナレーション、音響効果だけでストーリーを演じる。いわば、即興生放送ラジオドラマ、といったところ。

まず、観客にシネマガイドのページ番号を選んでもらう。そのページにはこんなあらすじが書かれていた。

「妻子の目の前で、皇室一家を救出するライアン。しかし、彼は、テロ集団から恨みをかってしまい、家族の命が狙われる。」

このあらすじを元に、タイプライターをラジオドラマモードにてスタートした。
タイプライター役はimpの奥山奈緒美(ナオミ)。

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NeXT IMPRO THEATRE 第29回公演 3:インプロミュージカル

その2からの続きです。


■第2部 インプロ・ミュージカル


今回のインプロミュージカルは、一風趣向を変えてスタートした。
いつもならタイトルカードから、作品のタイトルやミュージカルの曲名などを決めて、そのままシーンをスタートするのだが、今回はまずこの言葉から始まった。

「お客様の中で、MDかCDをお持ちの方はいらっしゃいますか?」

つまり、観客が持っているMDを拝借し、そのディスクの楽曲の中からランダムに曲を選択して、その音楽を元にシーンを作っていこうという試みである。
今回、MDを持っていた観客はわずか一名だったのだが、そのディスクの中から別の観客によって曲番号が選ばれ、次のような曲が選定された。

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タイトルは「Piano Bar I」。アニメに詳しい方ならきっと誰もが知っているプロデューサー兼作曲家の菅野よう子率いる「シートベルツ」というユニットによる作品。人気アニメ「COWBOY BEBOP」のサントラに含まれている曲である。

事前の再生確認などは一切ないままに、この曲を冒頭で流し、ノータイトルでシーンがスタートした。

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NeXT IMPRO THEATRE 第29回公演 4:劇評

その3からの続きです。


今回は、第1部、第2部とも、新しい試みがとても面白かった。

第1部最後のシネマガイド+ラジオドラマ+タイプライターの組み合わせは、それぞれのゲームの特性がとてもよくマッチしていて、これまでのタイプライターのみの作品よりも、ストーリーに大きな厚みが増していたと思う。

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NeXT IMPRO THEATRE 第28回公演 1:座る立つ、スペースジャンプなど

9月のNeXT IMPRO THEATREは、インプロ・ジャパンが主催する、「インプロ・ミニ・フェスティバル vol.5」に参加しての公演。

インプロ・ミニ・フェスティバルとは、4日間に渡って様々な形式のインプロ公演が行われる催しである。今回は、シアタースポーツロングフォームマエストロと3種類のインプロ公演が行われ、NeXT IMPRO THEATREはそのトリを務めた。

次回のインプロ・ミニ・フェスティバルは来春を予定しているとのことなので、興味がある方は、ぜひ一度ご覧頂きたい。

さて今回のNeXT IMPRO THEATREは、インプロ・ミニ・フェスティバル参加もあってか、レギュラーであるimp、Xpotフルメンバーの他に、特別ゲストとして岡崎ちか子が加わっての公演である。
また、公演形態もこれまでとはかなり異なり、第1部については、Xpotのゲームシーン→impのフリーシーン→Xpotのゲームシーンと交互に行われる構成とされた。ゲームシーンが終わると、そのタイトルやストーリーの内容に対して連想するような面持ちでフリーシーンのストーリーが開始され、ゲームシーン+フリーシーンで一つのまとまりであるような雰囲気であった。

そのため今回のレポートは、それに従った形式でお届けする。

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NeXT IMPRO THEATRE 第28回公演 2:最初と最後、タイプライターなど

その1からの続きです。

[5]Xpotゲームシーン:最初と最後「最初:愛ってどこに売ってるの?エーピー? 最後:豚に真珠」

最初のセリフと最後のセリフが決められていて、ストーリーは必ず、最初のセリフで始まり、最後のセリフで終わらなければならないというゲーム。

ホワイトボードに「愛ってどこに売ってるの?エーピー?」と大きく書き、それを口で言い放つ沢田(Xpot:川添圭太)。そこは、新しいスタイルのコンビニを企画するための会議の席上であった。「愛」というテーマを前面に押し出したスタイルのコンビニ。しかし、キャッチコピーとしては面白いが、いまいちピンとこない企画部員の2人(Xpot:鉢山あきこ、松本雅子)。
彼は、自分にとっての愛は、ふるさとの山形県の稲穂で、その稲穂からできたおにぎりの美味しさと、それを握ってくれた人たちのあったかい愛だと説明するが、言葉ばかりで、気持ちがまったく伝わってこないと言われてしまう。
そして沢田は、本当の愛をもう一度確かめるために、山形まで走り出した。

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NeXT IMPRO THEATRE 第28回公演 3:インプロミュージカル

その2からの続きです。


第2部 インプロミュージカル

今回のインプロミュージカルは、ある一人の男(imp:飯野雅彦)の独白から始まった。

その男は、その昔、およそ60年前にインプロミュージカルアワードで主演男優賞を受賞していた。男はその時のことを懐かしく語り始めるが、なかなかそのタイトルが思い出せない。

「タイトルは何だったけかなぁー」(とタイトルカードをがさがさ)

作品のタイトルは、「50%じゃつまんない」
それは、いつも100%でないとつまらないと考える、中途半端なものでは絶対に満足しない鈴木幸司の話だった。彼は生物学者で、生き物の体内の水分量が常に100%である状態がもっとも健康にいいということを証明しようとしていた。
そして自分の身体の水分量も50%であるということに気づき、そのことを高らかに歌った。歌のタイトルは、そう(再びタイトルカードから)、「動物園の夜」。鈴木は動物園で、一つ一つの動物の身体の水分量を測っていた。そして、フラミンゴだけが100%であることに気づいた。それがその作品のクライマックスの場面であった。

そこまで、思い出した男は、全編をもう一度見たい気持ちに駆られた。全部思い出し切らないと死んでも死にきれん!
そうしてその男は、自分の記憶の糸をたぐりよせ、最初のシーンからゆっくりと思い出していったのである・・・。

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NeXT IMPRO THEATRE 第28回公演 4:劇評

その3からの続きです。


今回の劇評は、インプロ・ミニ・フェスティバル参加ということで、ショー全体について考えてみたい。

全体を通しては、普段にもましてとてもバラエティに富んでおり、何度観ても決して飽きることのないインプロショーのエネルギーが、たっぷり客席に流れ込んでくる公演だった。

これまでの公演では、長めのシーンのインプロ → ゲームシーン数種類 → タイプライター といった構成になることが多かったのだが、今回はミニ・フェスティバルということもあってか、ゲームシーン → フリーシーン → ゲームシーンという組み合わせで進行した。単に順序を少し変えた程度ではあるのだが、スナドリにとっては、これまでで一番観やすく、楽しみやすい印象を持った公演であったように思う。

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