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NeXT IMPRO THEATRE 第27回公演 5:インプロミュージカル

■第2部 インプロ・ミュージカル「おでん」 インプロチーム:imp

まずXoptの5人が舞台に登場し、第2部のオープニング。
タイトルカードを引く。タイトルは「おでん」
ワンワードで、一人一語ずつおでんについて語る。

おでん とは 寒い 冬に おいしい つゆと さまざまな 具を 入れて 煮込んだ 料理 です。

そのまま暗転(笑)。

軽快な音楽と共に、中央のスポットライトの中にimpの3人が1人ずつ立ち、それぞれおでんの想いを語っていく。

入岡雅人。昔、初めておでんを作ったとき、具をひとつずつ買ってきて調理をして、全部鍋の中に入れたのですが、しばらくたってから見てみると、全部の具がものすごい膨らんで、鍋の蓋が浮いていました。そんな思い出があります。

飯野雅彦。おでんの具で何が好きかというと、たいていの人はだいこんというのですが、自分はあまりだいこんが好きではないので、がんもとか・・そういうとこいっちゃいます(笑)。

奥山奈緒美。実は、私はおでんがあまり好きではありません。なぜかというと、夕飯でおでんが出ると、ごはんとおでんだけになってしまって、全てがメインのおかず、という感じになるのがあまり好きではなかったからです(笑)。


♪いろんな~ものが~ひとつに~煮えてゆく
 さまざまなものが ひとつに~なる~♪


音楽高鳴って場面転換し、おでんの屋台を引く男(imp:飯野雅彦)のシーン。
その様子のスケッチ。
とてもカラフルな服を着ている男。屋台自体はとても昭和っぽい雰囲気を漂わせているのだが、そこにあるおでんの具は、ハンバーグとかソーセージとか洋食風な感じ。屋根には電飾の看板があり、そこには漢字で「丹生御伝」(ニューおでん(笑))と書かれていた。

軽快な音楽が高鳴り、男は歌い、踊りながらお店を開店し始めた。

♪スタンバイOK!あとは待つだけ!お客が来るのを待つだけ~(Fuu Fuu)
 ここには、いつも常連さん来る Oh Oh 常連!(WowWow)常連!(WowWow)
 いつも、話を聞いてると~、情が沸く!常連~!♪

そして、その常連の男がそこにやってくる。その男。名前は吉田(imp:入岡雅人)。機械設計の仕事をしている。髪もひげも伸び放題で、着てる服はヨレヨレ。どうやら自営業で非常に苦労しているらしかった。

彼はその思いを歌にして吐露していく。

実は彼が現在設計している機械は、どんな魚を入れても自動的に魚のすり身にしてくれるという画期的な機械であった。ところが、その試作を依頼しても、製作代金を支払うことができず、いろんな製作業者にことごとく断られる毎日。
自身の「練りもの人生」(笑)は、本当にこれで正しいのか、あまりの苦労のために自問自答する日々であった。

だが、多くの会社に断られるたびに思い出すのは、彼の母親の姿。冬の寒い時期はよく練りものが売れるからと、手をひびとあかぎれでいっぱいにしながら、毎日毎日、魚のすり身を作る日々。そんな風に苦労して自分を育ててくれた母親のことを思い出しては、明日への希望を繋ぐ毎日であった。

陽気なおでん屋の男は、そんな彼の気持ちをおいしいおでんで吹き飛ばしてくれる、吉田にとってちょっとした心のオアシスであった。すっかり気を許していた彼は、ある日そのおでん屋の男に、愚痴混じりに現在開発中の「自動練りもの製造器」の話をした。
男は、彼の話を興味深く聞き、そしてこう言った。

「そんな、自動で練りものが作れるスゴい機械があったら、オリジねるの・・」

男がかんでしまって出たその言葉に、二人は顔を見合わせた。

「オリジねる?」
「そ、その名前、もらったーーー!」(笑)

二人はラップのリズムで、その名前を膨らませていった。

♪写るんですは 名前でヒット
 オリジねる も きっと名前でヒットする
 たとえば 「自動練りもの製造器」と 「オリジねる」と どっがいい?
 そりゃあ もちろん オリジねる
 うん そう その通り(笑)♪

吉田は、偶然(本当(笑))に発生したそのネーミングに驚喜して、おでんの代金を払うのも忘れたまま、一直線に自宅へと飛んで帰っていった。

そして、その後の吉田の家。
鼻歌を歌いながらネーミングから生まれた新しい機能を設計する吉田の元へ、息子の克実(imp:奥山奈緒美)がやって来る。いつものようにご飯を食べるように吉田は言うが、なぜか克実はそれをかたくなに拒んだ。なぜなら、吉田の仕事のために、もうずいぶん前から克実はおでんばかり食べさせられていたからである。
吉田は、元気のなくなった克実を喜ばせるために、今度の「オリジねる」は必ず成功するということを話して聞かせてあげた。

吉田が設計していくうちに、発想の幅は一気に広がっていき、それは、まるで綿飴の機械のように、棒を機械に入れてぐるぐる回すだけで、おでんの具がくっついて来るというモノになっていた。
しかも、様々なダイヤルをひねるだけで、味や食感も変化し、あらゆる独創的なオリジナルの練りものでも作り出すことができる、まさに万能の練りもの機であった。
克実はその話を聞いて、今度こそ本当に成功するような雰囲気を感じて、父親を信じてみようと心に誓った。

そして、とある大学のつてを頼って、その「オリジねる」はついに完成し、真っ先にいつもの陽気なおでん屋の元へと運ばれた。しかし、父親は急に、旅に出ると言い出した。

「やっぱり、コイツを試してもらうには、北の方へ行って、本当においしい魚を捕ってこなきゃ」

そうして吉田は、克実を置いて、遙か遠い北国へと旅立ってしまった。
克実は、けなげにも父親の成功を信じ、たった1人で父親の帰りをひたすら待ちつづけた。おでん屋の男は、そんな親子に見捨ててはおけない何かを感じて、陰ながら、たまに遊びに来る克実を気遣う日々が続いた。

父親が、北の海で、荒波にもまれながら魚を捕っている間も、克実は自分で料理をして、おでん屋の男と一緒に食べたりしていた。そのうち、吉田の家庭は、仕事がうまくいかないことで一家離散状態となり、吉田の元には克実だけが残っているという事実が明らかになる。驚きを隠せないおでん屋の男。しかし、克実はこう言った。

「でもね。お父ちゃんは格好いいんだよ。どんなみんなにダメダメって言われても、ゼッタイにあきらめないんだからね。だから、父ちゃんはスゴいんだよ。」

遠く離れていても、二人はいつも一緒。そして、克実は、目の前にいない父の姿を見ながら、少しずつ成長を遂げていたのである。おでん屋の男はたまらず、遠い北の海に向かって、

「おい。・・お前。何やってるんだよ。早く帰ってきてやれよ・・・!」

と語りかけるのであった。

そうして、いよいよ克実の新学期が始まろうとした頃、いつものようにお店を広げていたおでん屋と克実の元へ、その声が聞こえてきた。

「おーい。かつみー」

大量の魚を持って帰ってきた、吉田の声だった。

「父ちゃん!」
「克実。遅くなってすまんな。ちょっとじゃまするヤツがいたりして大変だったんだよ。でもほら、いろんな魚がいっぱい取れたぞ!」
「ホントだ!」

そこには、数多くの産地直送のみずみずしい魚たちが運び込まれていた。

「じゃあさっそく作って食べてみるか!」
「うん!」

三人はさっそくその準備を始めた。なぜかてきぱきと機械を操作し、味の調整を始める克実。吉田がいない間、克実は父の作った機械の操作方法を全て覚えていたのだった。そのことに少し感動を覚える吉田とおでん屋の男。
そして、魚たちはどんどん機械に入れられ、あっという間においしい練りものを次々と量産していった。

その味に、満面の笑顔を浮かべる三人。

「やっぱ父ちゃんはスゴイや!」

克実と吉田は、いつものように腕をがっちりクロスさせて、ポーズを決めた。
そして、陽気なおでん屋の男は、その機械を使い、今度は英語で「NEW おでん!」と書かれた、本当にオリジナルのおでん屋を開業したのであった。


そして、軽快な音楽と共に再び全員が歌い出していった。

♪いろんな~ものが~ひとつに~煮えてゆく
 さまざまなものが ひとつに~なる~
 いろんな~ものが~ひとつに~煮えてゆく
 さまざまなものが ひとつに~なる~♪

音楽高鳴っていき。終幕。


その6に続きます。


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