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NeXT IMPRO THEATRE 第27回公演 3:ゲームショウ・ラジオドラマ

■ゲームショウ(続き) インプロチーム:Xpot、imp

4.ラジオドラマ 「天国からのラブレター」

ラジオドラマとは、その名の通り、音声だけで即興でストーリーを演じるゲーム。
ここでは、impの3人が舞台を降りて客席のあちらこちらに位置し、Xpotは舞台側のバラバラの位置に立って、照明をブルーの薄明かりに落としてのシーン。

大変申し訳ないのだが、この作品については、ラジオドラマを通してスナドリ自身の中に見えたイメージでのみレポートさせて頂く。

透き通るようなピアノの音を背景に、その情景が描写されていく。


ざざぁーん。
ざ、ざぁーん。

広がる波の音。
さらさらと流れる砂。
やわらかく波が寄せる、明かりひとつない夜の砂浜。

夜空には星が瞬き、まわりはうっすらとした明るさに包まれ、まるで不思議な安心感に抱かれているような、そんな浜辺であった。
遠くの海鳥のささやきが届くほど、波の音以外には何も聞こえない、しんとした静寂の島。

そこにナレーション(imp:飯野雅彦)が入る。

「世界読み切りラジオドラマ。“天国からのラブレター”」


「また、ここに来てしまいました。」(imp:奥山奈緒美)
「・・・困った人だ。もうこの島には来ては行けないと、あれほど言っていたのに。」(imp:入岡雅人)

そして彼女は、こう言った。

「ごめんなさい。・・・今度こそ、手紙が届いているかと思って。」

この島は、「天国に一番近い島」。
そして男は、この島の番人であった。

番人は言った。

「・・・天国からの手紙は、必ず届くというものではないんですよ。」
「・・・。」

やわらかな波の音だけが聞こえる静寂の砂浜にたたずむ二人。
そこには、はかない想いが、繰り返し打ちよせるだけであった。

するとその時。
遠くの方から、ささやくような鐘の音が、かーん、かーんと耳に届いた。

「あの音は・・。」

番人は少し驚いた様子で言った。

「おお。めずらしいこともあるものです。あれは、天国からの郵便が届けられた知らせの音。」

ふと彼女は、何かを思い出したように話しはじめた。

「私、ひいおじいちゃんから聞いたことがあります。昔、この島でそういう鐘の音を聞いたことがあるって。それは、一生忘れられない、とても神々しい音色で胸に響いて、そして、ひいおじいちゃんは、ひいおばあちゃんからの天国からの手紙を受け取ったって。私、そう聞きました。」

するとそこに一人の小男(imp:飯野雅彦)がやってきた。

「島長。島長。浜に、瓶が届いてますぜ。浜に・・手紙の入った瓶が届いてますぜ」

そういって小男はその瓶を番人に手渡した。

「・・・あなたは運がいい。これは、あなたへ届いた天国からの手紙です。」
「え・・・!見せてください!」

番人の元へ駆け寄る彼女。

「もちろん。これはあなたにしかわからない言葉で書かれてある。どうぞ。ご覧なさい。」
「はい。瓶の蓋を、あけます・・。」

彼女は、瓶の蓋をきゅぽんと抜いた。すると、その音はまるで反響するように、あちらこちらからたくさん響き渡った(笑)。

「いっぱい音がした。」(笑)
「響きますね。」(笑)
「特別の瓶なんですね。」
「それはもう。天国からの手紙ですから。」

その時。
瓶の中に詰まっていた砂が、さぁーっと夜空に舞いあがった。

「・・・砂が、夜空に舞い上がっていって、文字に変わっていく・・・!」
「それが、あなたへの手紙です。それはあなたにしか読むことができない。さあ、どうぞお読みなさい。」

彼女は、文字が描かれた星空を、まるで何かを懐かしむような目で眺めた。

「・・・“明美へ。”」

明美は、もうその手紙が誰からのものなのか、はっきりとわかっていた。

「・・・“やっと・・・この手紙をよんでくれたんだね。・・・僕は、きみに・・・”」

夜空を見上げる明美の瞳の奥に、その姿が、少しずつ浮かび上がってきていた。
やさしく微笑む、懐かしいその笑顔。
それは、彼女が夢にまで見た、守(imp:飯野雅彦)の姿であった。
守は、いつものように穏やかに微笑みながら、ゆっくりと彼女に語りかけた。

「僕は・・・きみに、秘密を、持っていた。それは・・・きみを、妻にしたい、ということだった。結局、叶うことができなかったけれど、でも僕は、もうずっときみの側にいるよ。・・・だから、もうこの島に来る必要はないんだ。きみが、どんな島や、遠い外国にいたとしても・・・僕は、ずっと、きみの側にいるよ。・・・だから、」

いつしか明美の瞳から、玉のような大粒の涙が、ぽろぽろとこぼれ落ちていた。

「・・・もう、泣かないでおくれ。」

だが、その声を聞くにつれ、明美の涙は、ますますあふれかえるばかりだった。

「・・・泣かないで、おくれったら」(笑)。

「・・・ゴメンね。・・でも、やっと逢えて本当に良かった・・。あたし、守の最後に逢えないままだったから。あの時の前、あたしひどいことを言ってしまって、ずっとそのままだったから・・こうして手紙をもらってホントのことがわかって、本当によかった・・。」

涙を拭いた明美の顔は、すがすがしい表情に満ちあふれていた。

「おじさん。あたし、東京に帰ります。」
「そうですか。ではもうこの島に来ることはないでしょう。あなたは本当に運がよかった。お気をつけてお帰りなさい。」
「はい。」

するとその時。
夜空に描かれていた手紙の文字が、ひとつずつ光の弧を描きながら一気に流れだし、流星のシャワーとなって、浜辺へ舞い降りた。

「・・・きれい。なんてきれいなの。」
「おお。こんなことが起こるとは。こんな光景は私は見たことも聞いたこともない。これはきっと、この島が、より天国に近づいた瞬間なのでしょう。・・・もしかしたら私も、この島の番人をしながら、少しずつ天国に近づいているのかもしれません。」(笑)

そんな番人の言葉に、二人は笑顔を浮かべながら、浜辺へ舞い降りる流星をいつまでもいつまでも眺め続けた。


「世界読み切りラジオドラマ。“天国からのラブレター”。
次回、“地獄からの挑戦状”(笑)をお送りします」。


その4に続きます。

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