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NeXT IMPRO THEATRE 第27回公演 1:名作秘話

8月のNeXT IMPRO THEATREは、プーク人形劇場の「夏休みワクワク大作戦2006」に参加しての公演。そのため、今回は通常の夜の公演の他に、14時から「こどものためのインプロシアター」が行われた。内容は、ワークショップ+こどもたのめインプロ公演の構成で、子供の頃から話し好きだったスナドリにとっては、子供達がちょっとうらやましい企画。

スナドリは仕事の都合で観劇することができなかったが、その様子が、インプロEDU報告と、一部についてメールマガジン月刊インプロにてレポートされているので、興味のある方はご覧頂きたい。

読んだ雰囲気の感想としては、子供たちは本当に演劇のない世界で生活しているのだなあ、という印象を受けた。いわばカラカラに渇いた荒れ地のよう。なので、そこにインプロという形での水滴をたらすと、見る間に吸収され、植物が育っていくような雰囲気を感じた。

というわけで、第27回公演。客席はいつもと同様に概ね埋まる感じなのだが、回を追うごとに少しずつ埋まり具合が広がってきている印象を受ける。

今回は、imp(入岡雅人、飯野雅彦、奥山奈緒美、秋山桃里)、Xpot(矢熊進之助、川添圭太、鉢山あきこ、松本雅子、野間大輔)共にフルメンバーでの出演。本記事では少し構成を変えて、全ストーリー解説の後に、劇評を書く形式とする。

毎度のことではありますが、本記事は、全て、スナドリの記憶と個人的な解釈によってのみ書かれております。特にストーリー解説は、細かい部分で多少正確さを欠いている場合がありますので、悪しからずご了承下さい。
また、ストーリー解説についてのご指摘は歓迎いたしますので、コメントにお気軽にお寄せ頂ければ幸いです。

■第1部 名作秘話 「ブレーメンの音楽隊」 インプロチーム:imp

「名作秘話」とは、観客から誰もが知っている名作のタイトルをもらい、まずそのお話を1分間に凝縮した形で演じ、そしてその後、その名作の中での誰も知らない秘話(笑)をロングフォーム形式で行うというもの。

まずは1分凝縮版から。
ロバ(imp:奥山奈緒美)と、ヤギ(imp:飯野雅彦)、ニワトリ(imp:入岡雅人)が道ばたで相談している。「もう老い先短いがこれからどうする・・?」「ブレーメンに行こう!」と全員ブレーメンへ旅立つ。
そのころ、とある家では泥棒たちが、金目のものを物色していた。偶然通りかかった3匹。それぞれの背中に乗って、クケー!と泣き叫び、泥棒を追い払う。
そこでちょうど1分。暗転して終了。

その後は名作秘話のスケッチから。
カーテンなどが閉め切られたとあるナゾの家。レンガの壁にはブレーメンの地図があり、いくつかのバツ印と、1つの丸印。はだか電球がぶら下がり、よどんだ空気。天井から落ちる水滴ときしむ床。時間は10時を示している。

そこで、3人の登場人物が紹介される。

赤毛のメアリー(imp:奥山奈緒美)。これまで欲しいモノは何でも手に入れてきた女泥棒。このブレーメンのある場所に展示されている「青い涙」という宝石を手に入れようと計画している。これまで数多くの盗みを成功させてきたのか、かなり自信満々の様子。

クリストファー(imp:飯野雅彦)。ブレーメン警察窃盗取締部門に新たに配属された警察官。その任務の重要さに身の引き締まる思いでいる。

メーハラン(imp:入岡雅人)。農夫兼八百屋。しかしながら、耕している農地は借地であり、なかなか生活が豊かにならず、苦労している様子。

そして、場面は、そのスケッチされた家・・・赤毛のメアリーのアジトからスタートする。

すでに「青い涙」を盗み出す完璧なプランを立てており、自信満々にほくそ笑む赤毛のメアリー。実はその「青い涙」はブレーメンの唯一の観光資源となっているもので、彼女は新聞記事でその存在を知ったのであった。時間となり、手下のホーチン(imp:飯野雅彦)がアジトに合流する。ホーチンは準備の報告をし、メアリーはそのごほうびにクッキー(笑)を彼に食わせてあげた。どうやら、男を手玉にとるらしい女泥棒のようであった。
準備が整ったのでさっそく服を着替えて、二人は青い涙に向かった。

そして時間軸は少し前に戻る。昼間。メーハランの八百屋。気のいい性格のメーハランは、軽やかな台詞回しで自分の畑で取れた野菜を精一杯アピールするのだが、なかなか売れずにいた。そこに、新任の警官であるクリストファーが通りかかる。最近出没している泥棒団について、メーハランに何か情報がないかと聞き出した。が、彼は知る由もない様子。するとその時、八百屋の奥から、動物たちのけたたましい鳴き声がした。メーハラン曰く、「最近迷い込んできた動物たちなのだけど、ニワトリは卵を産まないし、ロバやヤギは荷物運べなくて、役立たずで困っている」とのこと。
クリストファーは、何か泥棒団の情報があったら教えるようにメーハランに念押ししてその場を去る。

その頃、ロバ、ヤギ、ニワトリの3匹は、八百屋の裏で何やら相談をしていた。ロバ曰く「メーハランさんにはお世話になっているのに、オレたち何にも役に立っていない。何か恩返しは出来ないものか」と。みんな、うーんと同感の様子。あまり裕福ではないのに面倒を見てくれているメーハランに対して、全員申し訳ないと思っているようだ。するとニワトリが言った「何かこう、歌とか歌って喜ばせてあげたらどうだろう」。みんなはそれならと賛成し、さっそく練習を始めることにした。

さて、時間軸は再び元に戻り「青い涙」の奪取に挑む、赤毛のメアリーとホーチン。観光資源として展示されている場所への潜入に成功し、いよいよ「青い涙」を目前としていた。ホーチンに、警備システムのチェックを何度も確認しながら、メアリーは彼に「青い涙」を盗ませた。
するとその時、切ったはずの警報システムが作動し、けたたましい音が鳴り響いた。メアリーはまるでそれを予見していたかのように、慌てるホーチンから「青い涙」奪ってその場を脱出し、そしてホーチンは罠にかかり、警備員に捕らえられてしまった。

あれほどまでに完璧に準備していたはずなのに・・どうして!ホーチンには何が起こっているのか分からない様子であった。目の前で警備員がゆっくりとかぶっていたヘルメットを脱ぎ捨てる。
と同時に、ホーチンの顔は驚愕の表情で険しくゆがんだ。

「お、お前は!街の八百屋じゃないか!」

そう。その警備員はなんと、あのメーハランであったのである。
「こうでもしないと食っていけないんだよぉ!」とメーハラン。そうしてホーチンはメーハランに連行されていった。

その頃、からくも逃げ切ることに成功した赤毛のメアリーはひとり驚喜していた。
「これがあの「青い涙」!なんて美しいのかしら!・・・ごめんなさいね、ホーチン。悪く思わないで」。手に入った「青い涙」にすっかり満足したメアリーは、明るい場所に移動して、その美しさを反芻していた。

するとそこに、あのヤギが偶然に通りかかった。

「・・・ん?なんか光りますねぇ」(笑)

突然しゃべり出したヤギにメアリーは驚いた。
「それって観光名物のでしょ?」とさらにヤギ。メアリーは虚を突かれたのか明らかに動揺してしまい、ヤギはその雰囲気のおかしさに気づき、けたたましい鳴き声でニワトリを呼んだ。
メアリーは、彼らを単なる動物として扱って手持ちのクッキーで必死にごまかそうとするが、彼らはそういうものに釣られる輩ではなかった。泥棒だと気づいた彼らは一斉にけたたましい鳴き声をあげ、さらに、ヤギは練習に使っていた太鼓をドンドンと鳴らして、その音を近所中に鳴り響かせた。そして、メアリーは、その音に気づいたメーハランによってあっという間に追い詰められてしまう。

手下を陥れてまで完璧な計画を遂行していたはずが、ささいなことで動物ごときに追い詰められてしまい、憮然とした表情であきらめて両手を差し出す赤毛のメアリー。
メーハランが来たことに満足して、彼らはその場をそそくさと去って行っていた。

「まったく綿密な計画を立てたのに、あんな年老いた動物たちにつかまるとは思ってもみなかったわ。・・・どこいったのよあの動物たちは。」とメアリー。

彼女に手錠をかけながら、気のいいメーハランはこう言った。

「ああ、あいつらなら、裏でなんかの練習をしてるよ。」

暗転。


その2に続きます。

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