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NeXT IMPRO THEATRE 第28回公演 4:劇評

その3からの続きです。


今回の劇評は、インプロ・ミニ・フェスティバル参加ということで、ショー全体について考えてみたい。

全体を通しては、普段にもましてとてもバラエティに富んでおり、何度観ても決して飽きることのないインプロショーのエネルギーが、たっぷり客席に流れ込んでくる公演だった。

これまでの公演では、長めのシーンのインプロ → ゲームシーン数種類 → タイプライター といった構成になることが多かったのだが、今回はミニ・フェスティバルということもあってか、ゲームシーン → フリーシーン → ゲームシーンという組み合わせで進行した。単に順序を少し変えた程度ではあるのだが、スナドリにとっては、これまでで一番観やすく、楽しみやすい印象を持った公演であったように思う。

インプロのゲームシーンは短い時間で行うものが多いため、インプロが本来的に持つ瞬発力的な面白さを味わうことができるのだが、その反面、連続して行われた場合は一つ一つは力強くても、全体を通すとやや単調で散漫な印象になりやすい。しかし、今回のゲームシーン+フリーシーンを1セットにした構成は、お互いのシーンがうまく影響しあいながら作品性を強めており、ゲームシーンのみの場合の散漫な印象を見事に補っていた。つまり、ゲームシーン+フリーシーンとを合わせて「一つの作品」としての主体性を形作っており、なおかつ、適度な多彩性と作品ごとのリズムやテンポがうまく配合されて、より観客が引き込まれやすい演劇環境を作っていたのである。

また、第2部のインプロミュージカルについては、男の独白からタイトルカードを選んでいくという、第1部とは完全に異なる雰囲気から開始されたことが大きく影響していたように思われる。インプロと言っても、タイトルカードを選んでストーリーを作るという流れは変わらないわけで、そのため、ある一定のテンポで各シーンが続けられた場合、初見の観客であってもその段取りそのものに慣れてしまうフシがある。そうすると、インプロでありながら、ある種何か予定されているもののような雰囲気が発生し、せっかくの即興のインパクトがやや衰えてしまうことがある。
ところが今回は、第2部の冒頭から完全に舞台の空気が入れ替わっており、それよって、観る側の予測がつかないワクワク感をより高めることに成功していたと思う。

そういったことを含めて、今回のインプロミュージカルおよび、第1部のゲーム+フリーシーンの作品群は、観る側の中にできてしまう安定的にリズムを適度にずらしながら、インプロそのものがもつエネルギーを最後までたっぷり味わせていた公演であった。

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